セレクトショップと百貨店、何が違うのか
「百貨店と何が違うんですか?」と聞かれることがあります。価格帯が似ていても、仕入れの仕組みはかなり違います。大阪のセレクトショップでバイヤーをしていた経験と、Cedar Sapphire を一人で運営している今の経験から、正直に説明します。
百貨店の仕入れの仕組み
百貨店の多くは、ブランドが売り場を借りる「消化仕入れ」という形式を取っています。売れた分だけ百貨店が仕入れ代金を払う仕組みで、在庫リスクはブランド側が負います。そのため、百貨店のバイヤーが「この服は好きだ」と思っても、売れる見込みがなければ棚に並ばない。
これは悪い仕組みではありませんが、結果として「売れる服」が集まりやすくなります。流行に沿ったもの、認知度の高いブランドのものが中心になる。
セレクトショップの仕入れ
セレクトショップは、基本的に買い取り仕入れです。仕入れた服が売れなければ、その損失はショップが負います。だから、バイヤーは本当に良いと思うものしか仕入れられない。少なくとも、そうあるべきです。
Cedar Sapphire では、展示会と産地訪問で直接仕入れています。同じ服を大量に並べることはしません。一枚しか仕入れないものもあります。それは、その一枚を選んだ理由があるからです。
価格の背景
セレクトショップの服が百貨店より高く感じることがあります。これは、小ロットで仕入れているため、一枚あたりのコストが上がるからです。大量に仕入れれば単価は下がりますが、それをするためには「売れる服」を選ばなければならなくなる。
Cedar Sapphire では、値下げセールをしません。仕入れた価格と、選んだ理由に対して正直でいたいからです。残った服の扱いは毎年悩みますが、値下げして「売り切る」ことは、選んだ理由を薄めることになる気がして、できません。
仕入れの話や、特定の服がなぜここにあるのかという話は、店頭でいくらでもします。服を買う前に話を聞きたいだけでも、歓迎します。